長野県は旭川と同じようにまだ田んぼにも雪があって桜どころではない。地図を見て「秋山郷」に向かう。秋山郷は古くから源頼朝に破れた平勝秀が草津から逃れてきて屋敷村の住み着いたとされてきたが、秋山を取材した「鈴木牧之」は「秋山紀行」で越後の城氏ではないかと述べているそうで、平家落人の谷であるというのは違いかもしれないのだが、人間が住み着いたのは間違いが無く、その頃の厳しい労苦を耐えて生き抜いてきた場所をこの目で見たかった。途中、湯沢温泉駅のある戸狩村で園児の消防体験学習が行われていた。写真を写したくて車から降りて集合場所に行く。先生が消防団の説明してくれる団長さんを紹介する。団長はニコニコして園児の前に出る。そのとき園児の「あっ、お父さんだ」の声が響く。周りを爽やかな笑い声がつつむ。私も釣られて笑う。やがて挨拶が終って終了。気がつけば写真は2枚しか撮っていない事に気づいた。園児の一言で写真のことはすっかり忘れていたのだ。
秋山郷への道はどこでも崖崩れが起きそうで道幅は狭くカーブが多くて運転には集中力が必要。地元の車は慣れているのか早くて上手だ。驚いた事にこの道を観光バスが通ると聞いてさらにびっくり。秋山郷の店で素敵なおばさんに話を聞く。冬は1日に何回も除雪車が通って道をあけるので、地元の人は冬でも通行止めはないので安心と言っていた。奥は志賀方面へ通り抜ける事が出来るが 今はまだ雪が多くて行き止まり。レストランもまだ開業していない。滝に通じる道は雪のため通行止め。結局時期が早すぎて今はまだ観光はオフ状態であった。せめて資料館でもと思ったがそれもまだ見学は無理だった。高い所から集落を見る場所は無いかと聞くが、小さい道路はほとんど閉鎖状態でこれもむり。まあ突然事前調査も無く来た訳なので仕方が無いが、観光シーズンで一番客が来るのはいつ頃か聞いてみると、秋の紅葉の時だそうだ。素晴らしい温泉がたくさんあって一度は行ってみたいところ。通行止めの終点まで行って戻って「前倉橋」で山菜ソバを食べる。山菜に混じってゴーヤが入っていた。地元で作ったものを茹でて冷凍保存しておいたのだとおかみさんが説明してくれた。小千谷とか栄村などテレビのニュースで見聞きした地名がでてきて、天災に悩まされる地域なのかと想像したが町や村の主要な場所はそうでもなくもっと山奥に住んでいる人達が災害に遭うのかと想像した。