彼の話を聞きながら津波などの天災の危機意識が強く行動力も早く、その避難に関する行動があまりにも的確なので日頃の訓練なのか聞いてみた。彼ははっきりと「小さい頃からじいさん、ひいじいさんにことあるごとに聞かされていた」というのだ。ご飯やオヤツを食べる時もじいさんたちの話を聞かなかったら食べさせられなかったくらい厳しく聞かされたのだと言う。海岸のあの部分がこうなったらすぐ高台に逃げる。海の水が引いたら大きな津波が来るからすぐ高台に逃げるなど厳しく躾けられた。「てんでんこ」が有名になっているが、大槌町では同じ意味で「へいらへ」と言う。これはアイヌ語だと聞かされてまた驚いた。津波が来たら例え妹の手を引いて逃げている途中で妹が転んでも助けずに1人で走って逃げる。これは掟なのだ。人間として不条理かも知れないが一人でも多く生き残るための約束事なのだと聞かされた。三陸海岸一帯に生きる人達に共通の掟になっているようだ。私はその掟に従う事は非常に難しいと思った。
コメント