岩手県大槌町で人々が避難したと思われる高台にある神社に登ってみました。「大槌稲荷神社」の境内から大槌町を眼下に見ながら津波から逃げて来たであろう人達を想像していると、犬の散歩をしていたご夫人が「どうぞ上がってお茶でも飲んで行きませんか?」と声をかけてくれた。勧められるままに上がってみるとご主人もニコニコ顔で迎えてくれる。彼は約150人の避難者を5か月に渡って支援した人で「東日本大震災 僕の避難所長日記」という避難生活の記録を本にまとめて出版していた。避難生活の難しさ、裏話など長時間に渡って話をしてくれた。ここでは書ききれないが貴重な情報をたくさん得て感心したり考えさせられたりあっという間に時間が過ぎて、そろそろお暇をというと「泊まって行かないのかい」と言われた。泊まって行きたい衝動に駆られたが、大船渡に宿を取ってあるので丁寧にお断りをしてお暇をした。話の中で気になっていた防潮堤について質問していい雰囲気が出来たので聞いてみた。彼は「防潮堤は必要ない。税金の無駄使いだ」と即答した。私と同じ考えであった。彼は言う。防潮堤は第一波の津波がくると防潮堤を乗り越えて来た海水が引き波でも出て行かずプールのように溜まった所へ第二波がくるとさらに水量が増して津波が大きくなって襲ってくるのだと。津波が来たら「逃げるしか無い」のだと強調していた。
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