雄勝地区に入ると瓦礫の処理などの作業をしている人が本当に僅かでほとんど人の気配がない。後で分かった事だが土曜日なので作業を休んでいるので人が少なかったということらしい。出てくるのは溜め息ばかり。流水の破壊力の凄まじさを目の当たりにして絶句。橋の上の鉄柵の支柱が上流に向かって折れ曲がっている。濁流が橋の上を超えて漂流物がぶつかって曲がったと思われる。高い橋の上に立ってその様子を想像しただけで恐怖だ。さらに進むと集合住宅が津波に飲み込まれて骨格のみ残り廃墟と化している。この地区は復旧の手が回らず被災したままの状態なので本当に生々しい。「旭川しんぶん」に載っていた2階建ての中央公民館の屋上には津波によって流されて来た大型バスが乗ったまま放置されている。水流の激しさがよくわかる。ボランティアらしい人たちの集団が地元の人に説明を聞いている。この雄勝地区は「硯」に適した石が取れるので「硯」の生産地として有名だと聞いた。海岸に出ると破壊された作業場の入り口のシャッターにメッセージが書き込まれていた。「6月より石巻で営業中」と書いてあった。海岸沿いなのに無事でしかも営業までこぎつけたのかと心から祝福した。
コメント