ついにアパートが完全に消えた。裏のつい立てが無くなって、周りから丸見えになって、なぜか恥ずかしい感じがする。この広々とした風景も半年余りで、また様変わりするはずだ。私も気分転換に、伸びた雑草をバリカンで刈り取った。池の中にカメラを入れて隠れ処を写してみた。ウグイの姿が写っていた。試しにミミズを入れてみた。ミミズが僅か25cmの水底に届く前にウグイが跳びついて来た。あっという間の出来事だった。餌が落ちてくるのを常に見張っているらしい。驚いた。餌がいつ現れるのか分からないのに、ずっと見張っているウグイの気持ちを想像してみた。もの凄い集中力の持続で、私には到底出来ないと思った。せめて、時々ミミズをあげるように努力しようと考えさせられた。
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