過去に天塩川をゴムボートで下った仲間との年1回の恒例アウトドア生活。目的はなくただぼんやりと自由気ままに時を過ごす。今年は焼尻島での生活をしてきた。1人は病人。1人は前日熱中症に掛かってまだ体調が悪いのに参加している。6人のうち1人が亡くなって現在5人。今後一人でも欠けたらこの会は自動消滅する。個人的な付き合いは変わらないがこの会は終了となる約束だ。来年があるのかは常に不確定要素がつきまとう。それでも悲観的な雰囲気は全くない。そんなとこで釣れないぞと言われても意に介さない。ぼうっと竿先を眺め、うたた寝をし談笑をし、カモメの動きを眺め、フェリーの入港や出港には手を振って笑顔を振りまく。地元の人とたわいもない言葉を交わし温かい心に触れる。昼食を求めて食堂に行く。途中で病人と熱中症の二人が歩けないと言って宿に戻る。食堂で戻った二人のおにぎりを注文する。食堂の親父はおにぎりの金は要らんと言った。メニューに「おにぎり」と書いてある。「これはみそ汁もついておにぎりなんだ。おにぎりだけで金は取らん」という。変な理屈だがなんとおおらかな親父なんだろうと心から感謝した。